昨日は、満月。仕事をしていたら、雨音が聞こえてきた。朝のニュースに何とも哀しい、切ない、もどかしい、ざわざわする気持ちを抱いたまま1日を過ごした私のそれを洗い流すかのようだった。
寝しなに子供たちが布団の中で喧嘩をしていた。よくある日常のひとこま。と、娘が枕に頭をつけたまま、目に涙をいっぱい溜めてしくしくと泣いている声が聞こえてきた。「大丈夫よ、どうしたの?」と言いながら、彼女の傍に行くと、「お兄ちゃんがね、大嫌いって言ったの。だから、悲しかったの。」と声をあげて泣き始めた。「お兄ちゃん、お兄ちゃんにも言いたいことはあるでしょうけれど、大嫌いって言うのは、悲しいからやめようね。」と言うと、「だって、僕だって、何度も言われているもん。大嫌いって言われたもん。だから、仕返しだもん」と息子が言った。「大嫌いって言われたら、大嫌いって言い返すの?
悔しい気持ちは、わかるけれど、それじゃあ、やられたからやり返す、っていう戦争とおんなじじゃない?!相手と同じレベルになっちゃうのよ。自分が悲しい思いをすることは、人にするのはやめようよ。」と、朝のニュースにセンシティブになっていた私は、息子に言った。「戦争、いやなんでしょう?!だったら、そういう仕返しっていう考えからほかの考えに変えていこうね。」と更に言った私に、「でも、僕、戦争には何もできないもん。」と無力感の声・・・・・。 「そんなことないよ。一人一人の想いが大事なんだよ。君が、仕返しをしない、って、ほかの方法を考えようって、行動することが世界を変えていくことになるんだよ。君たちが、そういう大人になっていくことで、変わるのよ。すぐには、何も変わらないように見えるかも知れないけれど、だからって、何もしないで、黙って見てるの?じゃあ、たくさんの人たちが戦争に反対、って署名運動をしたり、ハンガーストライキをしたりしているのは、どうしてだと思う?ママも、戦争をする、って決めた人たちに、嫌な思いをさせられたからって、仕返しをするの?それとも、何もしないでじっと見ているの?違うよ。あなた達が大事だから、地球が荒れてしまうことが嫌だから、少しでもできることはないか、って探してしているのよ。小さな行動の集まりや積み重ねが、大きな変化を生み出していくのよ。諦めないでね。」と、兄妹喧嘩が発端で、こんなことまで言ってしまった。息子は、泣きながら、ずっと黙って聴いていた。
「もういいから、静かに眠りなさい。二人とも、ママの大事な宝物よ。おやすみ」と、仕事に戻ってほどなく、ひそひそ声と妹の笑い声が聞こえてきた。
一人の力は小さいかも知れないけれど、願うことは出来る。願わなければ、何もかなうことはない。せめて、今日も私は願いつづけたいと思う。
一人一人の心の平和を。そして、世界の平和を。